民法は40年ぶりに大改正されました。一番民生に関わる法律のため、日本国で暮らす誰にも関係がある改正と言えるでしょう。この記事では、今回の改正によって相続が変わった部分について話してみましょう。
相続に関しては 主に下記6点が改正されました。

目次
配偶者の居住権を保護するための方策について
配偶者居住権の保護は大別2つに分かれます。遺産分割が終了するまで短期間の居住権とある程度長期間に建物を使用できる居住権。
配偶者短期居住権
民法第1037条:配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に無償で居住していた場合には、次の期間までの間「配偶者短期居住権」を有する
①配偶者が居住建物の遺産分割に関与するときは,居住建物の帰属が確定する日までの間(ただし,最低6か月間は保障)
②居住建物が第三者に遺贈された場合や,配偶者が相続放棄をした場合には居住建物の所有者から消滅請求を受けてから6か月

いままでは、自宅の建物は配偶者と被相続人の間の使用賃借契約と推認しました。しかし、被相続人が自宅を他人に贈与などを行った場合は、この推認はされず、配偶者は住所を失う可能性がある。改正後は、最低6ヵ月の居住権が認められました。
配偶者居住権
民法第1028条:配偶者が相続開始時に居住していた被相続人所有の建物を対象として,終身又は一定期間,配偶者に建物の使用を認めることを内容とする法定の権利(配偶者居住
権)を新設する。
① 遺産分割における選択肢の一つとして
② 被相続人の遺言等によって
配偶者に配偶者居住権を取得させることができるようにする。

今までは、自宅の評価額が高くて預貯金はそれほど多くないおうちでは法定相続分を配分するためにお母さんが住居を手放すケースはたくさんありました。改正後は配偶者居住権を設定し、多少の預貯金も確保できて、安心して生活ができるようりなりました。
遺産分割に関する見直し等
配偶者保護のための方策(持戻し免除の意思表示の推定規定)
婚姻期間が20年以上である夫婦の一方配偶者が,他方配偶者に対し,その居住用建物又はその敷地(居住用不動産)を遺贈又は贈与した場合については,民法第903条第3項の持戻しの免除の意思表示があったものと推定し,遺産分割においては,原則として当該居住用不動産の持戻し計算を不要とする(当該居住用不動産の価額を特別受益として扱わずに計算をすることができる。)。

20年以上の婚姻関係を持つ夫婦の一方が別一方に生前贈与をした場合は、その贈与は遺産の先渡しとしないことができるようになりました。
遺産分割前の払戻し制度の創設等
相続された預貯金再現について、生活費や葬儀費用の支払い、相続債務の弁済などの資金需要に対応できるように遺産分割前に払い戻しが受けられる制度を創設されました。

遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合の遺産の範囲
相続開始後に共同相続人の1人が遺産に属する財産を処分した場合に、計算上生ずる不公平を是正する方策を設けるものとしました。
改正ポイント
ア 遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合であっても,共同相続人全員の同意により,当該処分さ れた財産を遺産分割の対象に含めることができる。
イ 共同相続人の一人又は数人が遺産の分割前に遺産に属する財産の処分をした場合には,当該処分をした共同相続人については,アの同意を得ることを要しない。

遺言制度に関する見直し
自筆証書遺言の方式緩和
自筆証書に、パソコン等で作成した目録を添付したり、銀行通帳のコピーや不動産の登記事項証明書等を目録として添付したりして遺言を作成することができるようになりました。
遺言執行者の権限の明確化等
改正ポイント
ア 遺言執行者の一般的な権限として,遺言執行者がその権限内において遺言執行者であることを示してした行為は相続人に対し直接にその効力を生ずることを明文化する。
イ 特定遺贈又は特定財産承継遺言(いわゆる相続させる旨の遺言のうち,遺産分割方法の指定として特定の財産の承継が定められたもの)がされた場合における遺言執行者の権限等を,明確化する。
遺留分制度に関する見直し
改正ポイント
ア 遺留分減殺請求権の行使によって当然に物権的効果が生ずるとされている現行法の規律を見直し,遺留分に関する権利の行使によって遺留分侵害額に相当する金銭債権が生ずることにする。
イ 遺留分権利者から金銭請求を受けた受遺者又は受贈者が,金銭を直ちには準備できない場合には,受遺者等は,裁判所に対し,金銭債務の全部又は一部の支払につき期限の許与を求めることができる。

相続の効力等に関する見直し
改正ポイント
特定財産承継遺言等により承継された財産については,登記等の対抗要件なくして第三者に対抗することができるとされている現行法の規律を見直し,法定相続分を超える部分の承継については,登記等の対抗要件を備えなければ第三者に対抗することができないことにする。

相続人以外の者の貢献を考慮するための方策
改正ポイント
相続人以外の被相続人の親族が,無償で被相続人の療養看護等を行った場合には,一定の要件の下で,相続人に対して金銭請求をすることができるようにする。

まとめ
以上、上記6点になります。
出典:法務省のホームページ
